- エアコンから水が飛んでくる原因
- 飛んでくる水を放置する影響
- 水が飛んできた際の対処法
エアコンを使用していると、突然水が飛んできて「冷たい!」驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか?
エアコンから水が飛んできても、”即故障”とは限りません。
ただ、バケツを置くほどの水漏れであれば、カビの発生などのトラブルの予想できるため、放置するのは危険です。
この記事では、エアコンから水が飛んでくる原因と対処法、放置した場合の影響などについて詳しく解説していきます。
私は、【エアコン清掃club】を運営する滝沢というものです。ハウスクリーニング業者で約5年ほど従事した経験をもとに記事を書いています!
そもそもエアコンの水はどこからくる?

水が飛んでくる原因に行く前に、まずは「なぜエアコン内部に水があるのか?」についてお伝えします。
エアコンは水を発生させることで、室内を冷やす仕組みになっています。
そのため、真夏に冷房をつけるとエアコンは冷たい風を暑い室内に送り出してくれます。
【エアコン内部が冷たい】【室内が暑い】と温度差が生まれ、結露が起こり、水も発生しやすくなります。
外気温が寒い冬に、室内で暖房をつけると窓が結露すると同じようなものです。
暖かい空気を吸収する以上、エアコン内部には水が発生していきます。
エアコンから水が飛んでくるパターン

エアコンから水が飛んでくる現象には、いくつかの典型的なパターンがあります。
まずは、よくあるケースから確認しておきましょう。
パターン1:ドレンホースの詰まりによる逆流
エアコンの内部で発生した結露水は、ドレンホースを通じて屋外へ排出されます。
しかし、ホース内部にホコリやカビが溜まると、水の流れが妨げられ、排水がうまくいかなくなります。
この状態が続くと、水が逆流し、吹き出し口や本体から室内へ飛び出すことがあり、床や壁が濡れてしまう原因になります。
パターン2:ドレンパンの破損・傾き
室内機の下部にあるドレンパンは、結露水を一時的に受け止める役割を持っています。
ドレンパンにヒビが入ったり、傾いた状態で取り付けられていると、水がスムーズに排水されずにあふれ出してしまうことがあります。
このような不具合は、経年劣化や設置ミスで起こりやすいため、注意が必要です。
パターン3:急激な冷房・除湿運転時の結露
外気温が非常に高い日などに、急激に冷房や除湿(ドライ)モードに切り替えると、エアコン内部には大量の結露が発生します。
その水分量が排水処理能力を超えると、処理しきれなかった水分が噴き出すように室内へ飛び出すケースがあります。
風量や温度設定を見直すことで、改善することも。
エアコンから水が飛んでくる主な原因6選

吹き出し口や本体、エアコンから水が飛んでくる原因はいくつかあります。
次に、水が飛んでくる原因を掘り下げて見ていきましょう。
原因がわかれば、正しい対処法や予防策も立てやすくなります。
- フィルターやフィンの汚れ
- ドレンホースのつまりや不具合
- 室外機の排水環境の悪化
- ドレンパンの変形・破損
- 冷媒ガスの漏れ
- 急激な除湿運転による結露過多
フィルターやフィンの汚れ
フィルターがほこりで目詰まりを起こすと、エアコン内部の風の流れが悪くなり、熱交換器が冷えすぎて大量の結露が発生します。
この過剰な結露がドレンパンに溜まりきれず、水があふれてしまうことに繋がります。
また、通常は吹き出し口付近の結露は垂れないようになっていますが、結露が多ければ、受け止めきれません。

1カ月に1~2度はフィルターの清掃を行い、清潔な状態を保つことが基本です!
ドレンホースのつまりや不具合
エアコン内部で発生した水はドレンホースを通って外に排出されます。
結露水を外へ流すためのドレンホースは、内部の汚れやカビ、ホコリが蓄積することで詰まることがあります。
そのため、排出されなかった水が室内機に逆流し、水が飛ぶ原因になります。
軽度の詰まりであれば自分でも対応可能ですが、長年清掃していない場合は頑固な汚れになっている可能性があり、プロの清掃が必要です。
室外機の排水環境の悪化
ドレンホースの先が泥や落ち葉で塞がれていると、排水ができずに逆流し、室内機から水が飛んでくることがあります。
ベランダや屋外に室外機を設置している場合は、定期的にホースの先端の状態を確認し、異物がないよう清掃しましょう。



雑草や植木などが室外機に吸い込まれると、故障などのトラブルの原因にもなるので注意!
ドレンパンの変形・破損
ドレンパンが変形したり破損していると、結露水が本来の排水ルートを通れず漏れてしまいます。
特に経年劣化やエアコンの取り外しから再設置時に歪みが発生しやすいです。
少しでも異常が見られる場合は、専門業者に相談することが大切。
冷媒ガスの漏れ
冷媒ガスは室内機と室外機を循環し、熱を運んでいるガスです。
ただ、この冷媒ガスが漏れていると、どこかの箇所が冷却され結露が発生することがあります。
その結露が吹き出し口などに流れることで、水として室内に飛んでいきます。
急激な除湿運転による結露過多
高湿度の環境下でドライ運転を使用すると、空気中の水分が急激に冷やされ、大量の結露が発生します。
この水分量がエアコンの排水処理能力を超えると、水があふれて飛び出す原因になります。
風量を中程度に調整するか、運転モードを自動に切り替えることで、結露の発生量をある程度コントロールできます。
エアコンから水が飛んできた際の対処法


たとえ少量の水であっても、そのまま放置すると後々影響が出ることもあります。
万が一、エアコンから水が飛んできても、慌てずに落ち着いて対応することが大切です。
初期対応を誤ると、被害が拡大してしまう恐れもあります。
- まずは運転停止と電源オフ
- 床や家具の水拭き・乾燥処理
- ルーバー(風向板)を水平にする
- 除湿・送風運転にする
- フィルター・内部掃除をする
- ドレンホースの掃除をする
- エアコンクリーニング業者への連絡
- 冷媒ガスの点検・修理を依頼する
まずは運転停止と電源オフ
異常な水の飛散を確認したら、すぐにエアコンの運転を停止に設定し、本体の電源をオフにしてください。
そのまま通電状態で水がかかると、ショートや火災など重大な事故につながるリスクもあります。
安全のためにもまずは電源を切り、被害が広がらないように注意しましょう。
床や家具の水拭き・乾燥処理
飛んできた水を放置するとカビの原因になったり、家具の変色や腐食を招くことがあります。
まずはタオルや雑巾でしっかりと水分を拭き取りましょう。
その後、扇風機や除湿機を使って乾燥させるとより効果的です。



フローリングの隙間や家具の裏側など、見落としやすい箇所もしっかりチェック!
ルーバー(風向板)を水平にする
応急手段ですが、エアコンから水が飛んできた場合は、ルーバー(風向板)を水平にしましょう。
ルーバーを水平にすることで室内に水が飛んでくることは防げます。
除湿・送風運転にする
冷房を使うと室内の温度が下がり、空気中の水蒸気が減り、エアコン内部に結露が発生します。
そのため、水が飛んでくる場合は、除湿や送風運転にすることで結露の発生を止められます。



電源をオフにすると内部が結露しやすくなるので注意が必要!
フィルター・内部掃除をする
フィルターや内部の汚れが原因なら、掃除することで水飛びがなくなるでしょう。
フィルターなら2週に1度、内部クリーニングなら1年に1度程度が目安です。
フィルター掃除は自力でも可能ですが、内部クリーニングはエアコンの分解があるためプロに任せるのがベストです。



プロの業者なら分解から専用洗剤や用具を使ってきれいにしてくれます!
ドレンホースの掃除をする
ドレンホースが原因の可能性があるなら、ホース内の詰まりを取りましょう。
屋外に設置されているドレンホースは、落ち葉やごみ、虫などが入り込むこともめずらしくありません。
ホースの排出口付近ならブラシなどを使うことで自分でも掃除が可能です。
難しそうだと感じたら、無理せずプロに任せることをおすすめします。



内部については素人が掃除することで悪化することも予想できます!
エアコンクリーニング業者への連絡
応急処置をしても改善しない場合は、速やかにエアコンクリーニング業者に相談しましょう。
原因の特定や作業内容を丁寧に説明してくれる業者を選ぶことで、納得感を持って依頼できます。
作業後の動作確認や保証内容についても忘れずに確認し、再発防止につながる提案を受けることが重要です。
冷媒ガスの点検・修理を依頼する
冷媒ガスの漏れなら点検や修理の必要があるでしょう。
冷媒ガス関連は自力の対処は無理なので、必ずプロへの依頼が必須です。
エアコンから水が飛び放置の悪影響


エアコンから水が飛んできても、「ちょっとだけだから…」と放置する方も少なくありません。
ただしこうした、エアコンからの水飛びを放置すると思わぬトラブルにつながることがあります。
見逃されがちですが、エアコンの水漏れには重大なリスクが潜んでいます。
- カビ・菌の繁殖
- 家財や床のダメージ
- 電気系統のショート・故障
- 室内機・室外機の腐食
カビ・菌の繁殖
湿度が高い状態が続くと、エアコン内部にカビが繁殖しやすくなります。
カビの胞子は風に乗って部屋中に拡散し、アレルギーや喘息の原因になる可能性も。
徹底洗浄と抗菌コーティングによる予防も重要になってきます。
家財や床のダメージ
床や家具が濡れると、変色や反り返りが生じる恐れがあります。
エアコンから水が垂れてきている場合には、真下に防水シートを敷くなどの対策も有効です。
また、クリーニング業者を呼ぶ際には養生の有無も確認し、家財をしっかり保護してもらえるようにしましょう。
電気系統のショート・故障
水滴がエアコン内部の基板や配線に触れると、ショートを起こし、最悪の場合はヒューズが切れたりコンプレッサーが故障することもあります。
修理費用が高額になる前に、早めのメンテナンスが賢明でしょう。
保証期間の確認も忘れずに行うことも大切です。
室内機・室外機の腐食
エアコンの金属部品が水にさらされ続けると、さびや腐食が進行してしまいます。
特に室外機は雨風にさらされやすく、劣化しやすい箇所でもあるため、定期的なクリーニングと点検で故障を未然に防ぎましょう。



「水漏れ」と違い「水飛び」は軽く考えがちですが、きちんとした対処が必要です!
水が飛んでこないようにする5つの予防策


日頃のちょっとした工夫で、エアコンからの水トラブルを未然に防げます。
初心者でもできる水トラブルへの予防策をご紹介していきます。
定期的なフィルター掃除
2週間に1度を目安に、フィルターのホコリを掃除機・水洗いで除去しましょう。
フィルターがきれいだと内部の通気性がよくなり、結露の量も減少します。



フィルター掃除は電気代の減少やエアコンの寿命を延ばす効果も!
ドレンホースの傾斜確認
「ドレンホースが壁際で水平になっていないか?」を、月に1回程度は目視でチェックするようにしましょう。
必要に応じてビスやホース固定具で軽く傾斜をつけると、排水がスムーズになります。
不安がある場合には、専門業者に調整を依頼するのが確実です。
設置業者への点検依頼
引越しやエアコン購入時に設置してもらった業者に、水平設置や配管の状態について再点検を依頼するのもひとつの方法です。
保証期間内であれば無償対応してくれるケースもあります。
信頼できる業者の連絡先を控えておけば、万が一のときもスムーズに対応できるでしょう。
プロによる年1回のクリーニング
自分では掃除しきれない内部の汚れを高圧洗浄で一気に洗い流すことで、詰まりや水漏れのリスクを大幅に減らせます。
エアコンクリーニングが初めての方は、作業内容や料金が明確な業者を選ぶと安心です。
抗菌・防カビコートといったオプションも併せて検討すると、清潔な状態をより長く保てます。



内部清掃を行う際にエアコン用の洗浄スプレーを使用するのは危険です!
トラブル回避のためにも!エアコンクリーニングの必要性


自分でできるエアコン掃除にも限界があります。
そのため、プロによるエアコンクリーニングは、安心・安全な室内環境を長く維持するために欠かせません。
信頼できる業者は、作業前にエアコン内部の写真や動画などを使って状態を丁寧に説明してくれます。
料金体系が明確で、作業後の保証やアフターケアがあると、初めてでも安心して依頼できるでしょう。
定期的なプロのクリーニングを取り入れることで、水漏れや臭いなどのトラブルを未然に防ぎ、快適な空間を保つことができます。
エアコンから水が飛んでくることについて:まとめ
この記事では、エアコンから水が飛んでくる原因と放置した場合の影響、水飛びへの対処法などについて詳しく解説してきました。
エアコンから水が飛んでくる原因には、フィルターや内部の汚れ、ドレンホースの詰まりなどの原因が考えられます。
安易に「ちょっと水が飛んだだけ」と考えていると、室内環境の悪化や他の箇所への負担増を招いてしまう恐れもあります。
水飛びを発見したら、まずは運転を停止し、周辺の状況を確認後、ルーバーを水平にすることや運転切り替え、フィルター掃除を行いましょう。
それでも問題が解決できない場合には、内部クリーニングやホースの詰まり取りなどをプロに任せることを考える必要があります。
日頃からエアコンの状態をチェックし、定期的な掃除などでトラブルの予防に努めることで、快適で安全な室内環境を維持することが可能になります!
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