- 窓用エアコンのメリット・デメリット
- 窓用エアコンを使う際のコツ
- 窓用エアコンの選び方や設置の流れ
エアコンは現代の生活にはなくてはならない家電ですが、設置場所や賃貸などの環境によっては従来の機種が設置できないケースも。
そんな時に便利なのが、”窓につけるタイプ”のエアコンです。
「窓コン」など言われることもあるエアコンですが、メリットがあれば、当然デメリットも存在します。
この記事では、窓用エアコンの特徴から、使うメリット・デメリット、使う際のコツなどについて解説していきます。
エアコンの性能を最大限に引き出し、快適な室内環境を長期間維持するために、どのような工夫ができるのかを見ていきましょう。
私は、【エアコン清掃club】を運営する滝沢というものです。ハウスクリーニング業者で約5年ほど従事した経験をもとに記事を書いています!
窓につけるエアコンとは?仕組みや使用条件

窓付エアコン(窓用エアコン)は、壁掛けエアコンや据え置き型エアコンとは異なり、窓枠や開口部に直接取り付けるタイプのエアコンです。
工事不要で設置できる手軽さが最大の特徴で、一人暮らしの部屋や賃貸住宅、窓がしっかりしている部屋などに向いています。
窓付エアコンの仕組み
窓用エアコンは、室内機と室外機が一体となっている構造が特徴です。
室外機を別に設置する必要がなく、窓枠などの開口部に本体をはめ込むだけで稼働できます。
冷媒ガスや冷却ファンなどはすべて本体内に収まっているため、大掛かりな配管工事が不要で、自力で設置できるのもメリット。
設置後は電源を差し込むだけで冷暖房がスタートします。
設置できる窓の種類と条件
窓用エアコンを取り付けるには、幅や高さ、材質など一定の条件を満たす窓枠が必要です。
一般的にはスライド式の横長窓や引き違い窓が多く対応していて、「窓枠の開口幅が設置可能範囲に収まっているか?」を確認することが重要です。
また、窓枠が木製やアルミ製など耐荷重が確保されていることも確認しましょう。
設置前に寸法を正確に測り、メーカーの取扱説明書に記載された設置可能寸法と照らし合わせることが大切です。

窓用エアコンの多くは、冷房機能のみがついていることがほとんどです!
窓用エアコンを使うメリット


窓用エアコンには、「工事不要で手軽に導入できる」点や「コンパクトに使える」など多数のメリットがあります。
ここでは、具体的にどのような利点があるのかを詳しく解説していきます。
- コンパクトでスペースを有効活用できる
- 工事不要で手軽に導入できる
- 価格が安い
- 持ち運びや移設がしやすい
コンパクトでスペースを有効活用できる
一般的な壁掛けエアコンは、室外機と室内機が別々の場所に存在します。
その点、窓用エアコンは室内機と室外機が一体化しており、室内外のスペースを占有しません。
賃貸などで、ベランダや廊下などの狭いスペースを有効活用したい場合にも適しています。
リビングや寝室の中でも、スペースを気にせず設置できるため、部屋を広く使いたい方にも便利。
多少面倒ですが、使わないときは取り外して収納し、季節が変わればまた別の部屋に移動することも可能です。



好きな場所に設置できるのは窓用エアコンの最大のメリットです!
工事不要で手軽に導入できる
窓付エアコンは専用の工事を必要とせず、取り付けパネルを窓枠に固定するだけで設置できます。
素人でも30〜1時間ほどでつけられるケースも多いです。
そのため、引っ越し直後や急に暑さ・寒さ対策が必要になったときもすぐに使い始められます。
賃貸住宅でも壁に穴を開けないため、原状回復が簡単で大家・管理会社への相談もスムーズです。
仮に専門業者に依頼する場合でも、室外機を別途用意しない分、工事費を抑えられることが魅力!
価格が安い
安くても4万円以上はする壁掛けエアコン。
窓用エアコンであれば、1万円台からでも見つけることができます。
壁掛けなら設置費用にもお金がかかりますが、窓用なら自分でできるため費用はかかりません。
持ち運びや移設がしやすい
窓用エアコンは、コンパクトかつ軽量なモデルが多く、設置後も比較的簡単に取り外し・移設が行えます。
引っ越しや模様替えの際も、本体を窓から外して別の窓に取り付け直すだけなので、手間を大きく節約できます。
必要に応じて別の部屋で使い回せるため、ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるのもメリット。
ただし、何度も移設を繰り返すとパッキンや固定金具が劣化することがある点には注意が必要です。



窓用エアコンは、学生や引っ越し後でお金がない方におすすめです!
窓用エアコンを使うデメリット


手軽さや省スペースなどのメリットがある一方で、窓用エアコンにもデメリットは存在します。
ここでは、長期間使用した場合に生じやすい問題点や、導入前に確認しておきたい注意点について解説していきます。
- 広い部屋では効果薄
- 運転音がやや大きい場合が
- 防犯面での不安がある
- 電気代が高くなる
- 暖房対応している機種が少ない
- 窓の開閉や景観に制約が生じる
- 設置高さや安全性の懸念も
- メンテナンスや掃除が難しい
広い部屋では効果薄
窓付エアコンは、一般に壁掛けタイプと比べてサイズが小さいため、能力が低めに設定されており、広いリビングや天井の高い部屋には向いていません。
特に10畳以上の部屋では十分な冷暖房効果が得られず、電気代だけがかさむ可能性も。
一般的な壁掛けエアコンには10畳用以上のモデルも多いですが、窓用のほとんどは4〜7畳用にとどまっています。
部屋の広さに対して必要な能力を満たしていない場合、無理に運転しても効率が悪化するため、事前に推奨畳数をよく確認しましょう。



窓用エアコンにパワーは期待できないため、サーキュレーターなどと併用が効果的!
運転音がやや大きい場合がある
窓用エアコンは、一体型の構造上、室外機のファン音が室内にも響きやすくなっています。
そのため、寝室や静かな部屋で使うときは、音が気になる可能性があります。
最近のモデルでは静音設計を強化している機種も増えていますが、予算を優先すると静音性能が劣るものしかないことも。
購入前には必ずデシベル数を確認し、「静音モード」や「夜モード」などの運転機能があるかチェックすることをおすすめします。
防犯面での不安がある
窓用エアコンは直接窓に設置するため、窓側からの施錠ができなくなってしまいます。
窓下などに設置する簡易的な施錠をすることで、ある程度の防犯な可能です。
さらに、窓とエアコン側に隙間ができるため、雨や風、虫なども入りやすくなります。



雨が吹き込みやすい窓への設置も避けるのがベストです!
電気代が高くなる
電気代が高くなる傾向が強いのも、窓用エアコンのデメリットです。
窓用には壁掛けなどにある”インバータ制御”というものがついていません。
このインバータ制御は、温度センサーで省エネ運転などをするためのものです。
窓用 | 壁掛け | |
---|---|---|
畳数 | 4.5〜7畳の場合 | 6〜9畳の場合 |
消費電力 | 620W | 135〜720W |
電気代(1時間) | 16.7円 | 3.6〜19.4円 |
年間電気代 | 35,500円 | 19,359円 |
機種によって違ってきますが、冷房時だけでもこれくらいの差が出てしまいます。
また、設置場所が直射日光が当たる場所などの条件が加われば、さらに電気代にも差が出るはずです。



窓用エアコンを使う際には、後ほど紹介する【使う際のコツ】も参考に!
暖房対応している機種が少ない
窓用エアコンは基本的に冷房機能のみの機種がほとんどです。
仮に暖房が機能がついたものでも、冷房時よりパワーが落ちるため、暖房器具としては厳しいでしょう。
設定温度になるまでに時間が掛かれば、それだけ多くの電気を使うので電気代もさらに心配になってしまいます。



窓用エアコンを使用するなら、冬場にはヒーターなどを別で用意する必要があります!
窓の開閉や景観に制約が生じる
窓付エアコンを設置すると、その窓は基本的に開閉できなくなることがほとんどです。
これにより、夏場の換気や非常時の避難経路としての機能が制限される点には注意が必要です。
また、本体が窓から外に突き出るため、外観上の景観を損ねる場合があります。
オートロック式マンションや景観規約のある物件では、取り付け自体が禁止されていることも。



設置前に管理規約を必ず確認しましょう!
設置高さや安全性の懸念も
窓付エアコンは窓に本体を固定するため、設置場所が高いと落下や転落のリスクが高まります。
特に賃貸の2階以上で取り付ける際は、強度のある金具やしっかりした固定方法を選ばないと、地震や強風の際に危険です。
取扱説明書に記載された耐荷重を必ず守り、設置後は定期的にボルトやネジの緩みを確認しましょう。
必要であればプロに取り付けを依頼し、安全性を確保することをおすすめします。
メンテナンスや掃除が難しい
窓用エアコンは、構造上フィルターやパネルを取り外すのがやや手間で、奥深い部分まで掃除するのが難しい場合があります。
内部の熱交換器やファン部分にはカビやホコリが溜まりやすく、定期的に自分で完全クリーニングするには技術も時間もかかります。
プロによるエアコンクリーニングを依頼するとコストがかかるため、維持費として計画的に予算を確保しておく必要があります。



フィルター掃除だけでは取り切れない汚れが残ると、冷暖房効率の低下や不衛生につながります!
窓用エアコンを使う際のコツ


窓付エアコンを長く快適に使うためには、設置時や運転時にいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
ここでは、取り付け前後や日常の使い方で気をつけたいコツを紹介していきます。
- 設置前に窓枠の寸法を正確に測る
- サーキュレーターなどと併用する
- 直射日光を避ける
- 周囲の断熱・遮熱対策を行う
- 定期的なフィルター掃除で風量を確保
- ドレンホースの水抜きと設置角度を確認
設置前に窓枠の寸法を正確に測る
窓用エアコンは、窓枠のサイズが合わないと取り付けられないため、幅や高さをミリ単位で正確に測ることが大切です。
メーカーが指定する設置可能寸法(開口幅・開口高さ)と照らし合わせ、窓枠の内寸を何度か測定して誤差を確認しましょう。
隙間テープやパネルで多少のズレは調整できますが、大きく外れると気密性が保てず効率が落ちることも。



事前にしっかり採寸し、取り付けイメージを固めておくと安心です!
サーキュレーターなどと併用する
窓用エアコンを使う際には、サーキュレーターや扇風機を併用することで効率的に部屋を冷やすことできます。
エアコン稼働時間が短くなれば、それだけ電気代も抑えられます。



冷たい空気は下に溜まる性質があるため、上向きにセットするのがオススメです!
直射日光を避ける
エアコン本体を直射日光に当てないことも重要です。
直射日光が当たることで、エアコン自体の熱交換効率も下がります。
よりパワーが必要になってしまうため、電気代も余計にかかる恐れがあります。
周囲の断熱・遮熱対策を行う
窓用エアコンは、窓からの熱の侵入や冷気の漏れが起こりやすいので、断熱シートや遮熱カーテンを併用するとより効果的です。
パワーの強くない窓用エアコンに、直射日光の強く当たる部屋を冷やさせるのは酷です。
窓ガラスに貼る断熱フィルムを活用すれば、夏は外からの熱を遮断し、冬は室内の暖気を逃しにくくなります。
また、窓枠と本体の間にできる隙間はテープでしっかり密閉し、冷暖房効率を高めましょう。



これらの対策により、電気代を節約しつつ快適な室温を保つことができます!
定期的なフィルター掃除で風量を確保
通常の壁掛けエアコンと同じく、窓用エアコンには定期的なメンテは必須です。
約2週間に一度程度を目安にフィルターを外し、掃除機や水洗いでホコリを取り除くことが基本です。
ホコリが詰まったまま運転を続けると風量が低下し、冷暖房効率が落ちるだけでなく、消費電力が増えてしまいます。
水洗いしたフィルターはしっかり乾かしてから元に戻し、カビの発生を防ぎましょう。



内部クリーニングも必要ですが、業者に依頼する際は、「窓用エアコンの掃除を行っているか?」を確認しましょう!
ドレンホースの水抜きと設置角度を確認
窓用エアコンはドレンホースで排水を行うため、ホースが正しく設置されていないと水が溜まったり逆流したりします。
設置時にホースが緩やかに傾斜するように配置し、排水口まで滑らかに流れるようにしましょう。
定期的にホースの先端をチェックし、詰まりや折れ曲がりがないか確認することで、水漏れトラブルを防げます。



特に梅雨時や雨季には排水量が増えるため、ホースのメンテナンスをこまめに行いましょう!
窓用エアコンを使う際の心配な点も・・・


初めて窓用エアコンを導入する際、多くの方が心配に思う点がいくつかあります。
ここでは、安全性やメンテナンス面、賃貸でのトラブルなど、よくある不安を解消するアドバイスをお伝えします。
- 取り付けられない窓もある
- 賃貸契約での取り付け可否
- 雨漏りや水漏れのリスク
- 運転音による近隣トラブル
- セキュリティ面の不安
窓用エアコンが取り付けられない窓もある
業者に頼まなくても自分で設置できる窓用エアコン。
多くの窓では設置可能ですが、一部の窓のタイプでは設置できないこともあります。
- 窓枠レールが低すぎる
- 窓の開く幅が狭い
- 窓の開く高さが低い
機種によって違いますが、【窓枠は10mm・幅は47㎝・高さ77㎝】ほどが目安になります。



窓用エアコンを買う前には、きちんと確認するのが必須です!
賃貸契約での取り付け可否
賃貸住宅に住んでいる場合、「窓用エアコンの取り付けが許可されているか?」を契約書や管理規約を事前に確認する必要があります。
外観を損ねるとして禁止されている物件もあるため、無断で設置すると退去時に原状回復費用を請求される可能性も。
許可を得る際は、エアコン本体の寸法や取付方法を示した資料を大家・管理会社に提出するとスムーズです。



許可が下りても、撤去時の傷や穴を残さないよう丁寧に取り付け・取り外しを行いましょう!
雨漏りや水漏れのリスク
窓と本体の隙間をきちんとシーリングしないと、雨水が室内に侵入する恐れがあります。
防水パッキンや隙間テープで窓枠まわりをしっかり密閉し、取り付け前後に「隙間がないか?」を再確認しましょう。
また、ドレンホースが詰まっていると排水できず、室内側に水が逆流することもあります。
定期的にホースの状態をチェックし、詰まりを早期に解消することで水漏れトラブルを予防できます。
運転音による近隣トラブル
窓用エアコンは一体型構造のため、室外機の音も含めて運転音が外に響きやすく、住宅街やアパートでは周囲に音が伝わりやすい点に注意が必要です。
特に夜間や早朝に運転すると、近隣住人から騒音クレームが来る可能性があります。
静音設計のモデルを選ぶか、「静音モード」「夜モード」を活用して音量を抑えましょう。
設置後は『実際に音がどの程度響くか?』を確認し、必要に応じて運転時間帯を調整することが大切です。
セキュリティ面の不安
窓に直接取り付ける構造上、不正侵入のリスクが少し高まる場合があります。
特に路面に面した1階や2階の窓に設置する場合は、防犯ガードや補助錠を併用してセキュリティを強化しましょう。
外から見て隙間があると、空き巣に狙われる可能性もあるため、取り付け後は隙間テープで完全に密閉しておくことが重要。



必要に応じて防犯カメラやセンサーライトなどの併用を検討し、安全性を確保!
窓用エアコンの選び方と導入の流れ


窓用エアコンを安心して購入・設置するためには、信頼できる製品を選び、正しい手順で導入することが重要です。
ここでは、選び方のポイントと実際の導入手順を具体的に解説していきます。
部屋の広さと必要能力を把握する
まずは冷房・暖房を行う部屋の広さを測定し、畳数に応じた適切な能力(BTUやワット数)を把握しましょう。
4畳用や7畳用など、部屋の広さごとに推奨される能力が異なります。
能力不足だと効率よく冷暖房できず、電気代だけが増えてしまいます。



ネット上・実店舗スタッフに相談しながら、自分の部屋にフィットするモデルを選びましょう!
設置場所の確認と準備
窓枠の高さや幅、開閉方式を事前に確認しておきます。
加えて、周辺に人が通りやすい通路や道路がある場合、室外に飛び出す部分が危険とならないように設置高さを調整しましょう。
「設置時に必要な工具や付属品が揃っているか?」「ドレンホースの長さが足りているか?」もチェックポイントです。
延長コードではなく専用コンセントを利用することで、電力不足や発熱による火災リスクを軽減できます。
購入後の取り付け手順と注意点
購入した窓用エアコンは、まず段ボールから本体を取り出し、取扱説明書に従って取り付けパネルを窓枠に固定します。
パネルと本体の隙間に防水パッキンを貼り、室内と室外の気密性を確保します。
その後、本体をパネルにはめ込み、付属の金具やビスでしっかり固定してください。



取り付け後は電源を入れ、異音や振動がないかを確認することが重要です!
設置できるなら通常のエアコンがベスト!


窓用エアコンは値段の安さや設置の簡単さなどのメリットもあります。
ですが、設置できるなら通常の壁掛けエアコンがベストです。
壁掛けエアコンはパワーもあり、防犯面を考えてもメリットは大きいです。
窓用は本体の値段は安いですが、どうしても電気代が壁掛けよりかかってしまうため、長い目を見ればお得感も薄れてしまいます。
それに早く快適な温度になるエアコンの方が、利用者側にとっても嬉しいはずです。



「部屋に設置する場所がない」など特別な理由がない以外は、壁掛けエアコンがオススメ!
窓付けのエアコンについて:まとめ
この記事では、窓用エアコンのメリット・デメリット、使う際のコツなどについて詳しく解説してきました。
窓に設置する窓用エアコンは、設置が簡単でコンパクト、値段も安いなどメリットが多い便利な家電です。
しかし、パワーの弱さや音、電気代などの問題も抱えています。
エアコンをつける際は、基本的には壁掛けがオススメで、状況によって窓用を選ぶ方が良いかもしれません。
窓用エアコンを使う際には、カーテンやサーキュレーターとの併用といったポイントを抑えることで電気代の増加を減らせます。
自分の生活スタイルや部屋の条件に最適なエアコンを選び、長く快適に使用していくためのコツを実践しましょう!
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