- 冷房を使うと乾燥する理由
- 冷房時の乾燥トラブル
- 冷房時の乾燥トラブルへの対策
湿度が高く高温な日本の夏には、エアコンの冷房機能は欠かせません。
しかし、冷房を使うと「喉が痛い」「目が渇く」といった乾燥状態を経験する方も多いです。
実は湿度の高い日本の夏でも、冷房機能によって乾燥トラブルを引き起こすことがあります。
室内の乾燥は、喉や肌といった様々なトラブルを引き起こす原因になってしまいます。
この記事では、冷房を使うと乾燥する理由から放置した際のトラブル、乾燥状態への対策などについて詳しく解説していきます。
きちんとした乾燥対策を行うことで、冷房を使った際のトラブルを最小限に抑えることができます。
私は、【エアコン清掃club】を運営する滝沢というものです。ハウスクリーニング業者で約5年ほど従事した経験をもとに記事を書いています!
冷房を使うと乾燥する理由

夏になると欠かせないエアコンの冷房機能ですが、快適な涼しさの一方で「乾燥する、、、」と感じる方も少なくありません。
実際に、冷房運転中は室内の湿度が大きく低下しやすく、その結果、さまざまな不調が現れることがあります。
まずは、「なぜ冷房が乾燥を招くのか?」その仕組みを理解しておきましょう。
エアコン内部での熱交換プロセス
エアコンの冷房運転では、室内の暖かい空気を吸い込み、内部の熱交換器で冷却します。
この際、空気中の水分が冷やされて結露し、水分はドレンパンに集められて排水されます。
この一連の動作で空気中の湿度が下がり、結果的に乾燥した空気が室内に送り出されるのです。
室内湿度と体感の関係
室内の湿度が40%を下回ると、皮膚や粘膜が乾燥しやすくなります。
特に冷房中は、空気の動きによって体の表面から水分が奪われるスピードも早まるため、より乾燥を強く感じるようになります。
「快適な湿度は40〜60%」とされており、これを下回ると肌のかさつきや喉の不快感が現れやすくなってしまいます。

冷房時を使う夏であっても、乾燥対策は重要です!
冷房を使った際の乾燥からくるトラブル


冷房によって乾燥が進行すると、ただ不快なだけでなく、健康や生活環境にさまざまな悪影響を及ぼします。
放置せず、原因と影響を正しく理解することで、対策もしやすくなります。
- 皮膚のカサつき・かゆみの悪化
- 喉・鼻粘膜の乾燥による風邪リスク
- ドライアイが進行する
- 屋内空気のほこり・花粉の舞い上がり
「夏は湿度高いし多少乾燥しても、、、」と考えている方はぜひチェックしてください。
皮膚のカサつき・かゆみの悪化
空気が乾燥すると、肌の表面にある角質層の水分が蒸発しやすくなり、バリア機能が低下します。
このバリアが弱まることで、花粉やちり、衣類の繊維などちょっとした刺激にも肌が過敏に反応しやすくなり、赤みやかゆみ、さらには炎症を引き起こすことも。
乾燥肌や敏感肌の方では症状が特に強く出やすく、通常の保湿ケアだけでは十分に防ぎきれないこともあります。
室内の湿度を適切に保つことで、こうした肌トラブルの予防につながります。



紫外線への耐性も落ち、シワやシミの原因にもなります!
喉・鼻粘膜の乾燥による風邪リスク
湿度が低い環境では、呼吸器の粘膜が乾燥し、体内に侵入しようとするウイルスや細菌に対する防御機能が低下します。
乾いた粘膜は傷つきやすく、そこから病原体が入り込みやすくなるため、風邪やのどの痛み、咳といった不調の原因に。
特に就寝中は水分補給ができず、冷房の風を直接受けることで乾燥が進みやすいです。
朝起きたときに喉の痛みを感じた場合は、冷房による乾燥が原因である可能性も高くなります。
ドライアイが進行する
乾燥状態は目にも悪影響が及びます。
「目が疲れやすい」「ゴロゴロ」するような時は、部屋の乾燥からきているかもしれません。
目は99%水分でできおり、ドライアイを放置することは結膜炎になる恐れも出てきます。
「暑いから直風を浴びたい」という方は、乾燥状態にも要注意です。



夏であっても加湿器や部屋干し、化粧水の使用などの対策が必須です!
屋内空気のほこり・花粉の舞い上がり
湿度が不足すると、空気中の微粒子であるほこりや花粉が軽くなり、空気の流れによって舞い上がりやすくなります。
その結果、鼻炎や目のかゆみといった、アレルギー症状が悪化しやすくなるだけでなく、静電気の発生によって壁や家具にほこりが付着しやすくなります。
また、エアコンのフィルターにたまったほこりが送風時に再び室内に拡散されると、空気環境の悪化を招く恐れも。



こうした状況を防ぐには、こまめな掃除と適度な加湿が欠かせません!
冷房を使った際の乾燥への対策


乾燥による不調やトラブルを防ぐためには、日常的な対策の積み重ねが大切です。
いくつかの工夫を取り入れることで、冷房中でも快適な空間を維持することができます。
- 加湿器の活用で湿度を一定に保つ
- 部屋干しをする(濡れタオルも可)
- 設定温度と風量の調整
- 定期的な換気と清掃
- サーキュレーターや扇風機との併用
- 化粧水やリップなどを使う
- マスクを着用するのもあり
加湿器の活用で湿度を一定に保つ
最も取り入れやすく、かつ効果的なのが加湿器の使用です。
冷房運転中に下がりやすい湿度も、加湿器があれば40〜60%の快適な湿度を保ちやすくなります。
特に寝室では、加湿器を使用することで夜間の肌や喉の乾燥を予防しやすくなり、翌朝の不快感も軽減されます。
ただ、湿度を上げすぎると体感温度も上がり、質にのカビや結露の発生などの心配になってきます。
部屋干しをする(濡れタオルも可)
加湿器がない場合でも、濡れたタオルや洗濯物を部屋に干すだけで湿度を上げることができます。
濡れた洗濯物を干すことで、水分が蒸発し、室内の湿度は上がります。
エアコンの風が直接当たる場所に干すと蒸発が早まり、より効率よく加湿できます。



湿度が上がれば、体感温度も改善し、エアコンの温度設定を下げすぎることなく快適に過ごせます!
設定温度と風量の調整
冷房の設定温度を極端に低くすると、結露量が増えて湿気を過剰に取り除き、一気に乾燥状態が進んでしまいます。
目安としては室温26〜28℃前後、風量は自動に設定すると、ほどよい涼しさを保ちつつ乾燥を抑えられます。
また、リモコンで現在の室温を確認し、「体感温度と差がないか?」をこまめにチェックすると良いでしょう。



こうすることで無駄な冷えすぎを防ぎ、肌や喉への負担を軽減できます!
定期的な換気と清掃
エアコン運転中も1日に2~3回、5~10分程度、ドアや窓を全開にして空気を入れ替えると、乾燥だけでなくこもりがちな汚れた空気もリフレッシュできます。
フィルター掃除は最低でも月に1〜2回、ほこりや花粉を取り除くだけで風量が回復し、内部の結露量も適度に抑えられます。
また、年1回はプロに分解・高圧洗浄を依頼し、熱交換器やドレンパンの奥に潜む汚れまで徹底除去してもらいましょう。
清潔な状態を保つことで、乾燥抑制とカビ予防の両方を実現できます。
サーキュレーターや扇風機との併用
冷房から出る冷たい空気を部屋全体に循環させるには、サーキュレーターや扇風機が効果的です。
エアコンの吹き出し口と対角線上に設置し、上に向けて回すことで、冷気だけが一箇所に溜まらず湿った空気と混ざり合います。
この空気のかくはんによって、体感温度を上げずに湿度も均一化できるため、乾燥状態が軽減されます。



結果的に電気代も抑えられ、「簡単に取り入れられる対策」と言えます!
化粧水やリップなどを使う
肌を乾燥から守るなら、化粧水や美容液を使うのも有効です。
さらにリップクリームで唇の水分も逃しづらくなります。
また、夏場は半袖やノースリーブなど肌を出す機会も多くなるでしょう。



室内の温度の状況に合わせて長袖を着るのも効果的です!
マスクを着用するのもあり
肌や喉の乾燥状態から身を守るには、マスクを着用するのもありです。
マスクを使うことで呼吸をするごとに水分が蒸発し、喉や肌を乾燥から守ってくれます。
市販に売っている濡れマスクも便利なアイテムと言えるでしょう。



喉の乾燥対策ならのど飴やガムも有効です!
冷房使用後の内部乾燥の必要性


エアコンを停止した後も、内部には目に見えない結露水がたくさん残っています。
この水分が、カビやダニ、雑菌の温床になることをご存じでしょうか。
そこで重要になるのが、送風運転・内部クリーンといったエアコン内部の乾燥です。
冷房を使用したあとは、短時間(1時間ほど)でも送風運転を取り入れることで、内部の衛生状態を保つことができます。
- カビ・雑菌の繁殖抑制
- 臭い発生の予防
- 次回運転時の性能の維持にも
カビ・雑菌の繁殖抑制
冷房運転によって内部には結露水が生じますが、これを放置すると湿度の高い環境を好むカビや雑菌が増殖しやすくなります。
その結果、アレルギー反応やのどの不快感、体調不良などの健康リスクを招く恐れも。
冷房停止後に1時間ほど送風運転を行うことで、内部の水分を飛ばして清潔な状態を保ち、空気環境の衛生を維持できます。



送風モードがない場合は、内部クリーン機能でも代用可能です!
臭い発生の予防
エアコンから漂うカビ臭やタバコ臭のような臭いは、多くの場合、内部に残った湿気を原因とする微生物の繁殖によって引き起こされます。
送風運転によってエアコン内部の湿度を下げることで、これらの菌の増殖を抑える効果が期待できます。
冷房使用後だけでなく、シーズン終盤にも送風運転を行う習慣を身につけることで、嫌な臭いの発生を未然に防ぐことができ、快適な室内環境を保てます。
次回運転時の性能の維持にもつながる
エアコン内部に湿気が残った状態で次回も使用すると、熱交換器などの内部パーツに水分が凍結することがあり、「冷房効率が低下」「部品が劣化」などから寿命を縮めたりする原因になります。
送風運転を行って内部を十分に乾燥させておくことで、熱交換効率を高く保ち、冷房機能を長く安定して利用できます。
また、機械的なトラブルの予防にもつながり、安心してエアコンを使い続けられるメリットも。



送風での内部乾燥は、冷房時以外に除湿時にも行うとさらに効果的です!
エアコンの冷房と除湿(ドライ)の違い


夏には、冷房のほかに除湿(ドライ)機能を使う方もいるでしょう。
冷房と除湿(ドライ)は、どちらも室内を快適に保つためのモードですが、それぞれ目的と効果が異なります。
シーンに応じて正しく使い分けることで、乾燥を防ぎながら電気代の節約にもつながります。
冷房モードの特長と向き不向き
冷房モードは主に「室温を下げる」ことを目的とし、同時に湿度も下がるため、真夏の厳しい暑さを和らげるには非常に効果的です。
ただし、長時間の連続運転により空気が乾燥しやすく、先ほどもお伝えしたように肌やのどの不快感につながることがあります。
特に寝室では、乾燥によって睡眠の質が低下したり、翌朝に体調不良を感じたりする場合も。



使用時間や設定温度に配慮することがポイントになります!
除湿(ドライ)モードの特長とメリット
除湿(ドライ)モードは、「室温を大きく下げずに湿度だけを効率よく下げる」運転モードです。
冷房と比べて空気の乾燥が穏やかで、のどや肌への負担を軽減できるのが大きな利点です。
外気温がそれほど高くない日や冷えすぎを避けたいシーンに最適で、快適な室内環境を維持しやすくなります。
また、ドライ運転はエアコン内部の水分除去にも効果があり、カビやにおいの発生を防ぐという衛生面でのメリットも期待できます。



節電対策としては、環境・状況に合わせるのがベストです!
エアコンクリーニングで乾燥と不調を予防する


エアコン内部に汚れやカビが蓄積していると、運転中に風と一緒に汚染物質が室内に拡散し、乾燥を加速させる原因になります。
特にフィルターや熱交換器が詰まっていると、空気の流れが悪くなり、効率が落ちるだけでなく、内部に結露がたまりやすくなるため注意が必要です。
プロの業者によるエアコンクリーニングは、単にニオイや見た目の問題を解決するだけでなく、空気の質を整えるうえでも重要な作業になってきます。
特に一度もクリーニングを依頼したことがない場合は、夏本番前などのタイミングで依頼しておくと安心です。



内部のカビやほこりを取り除くことで、乾燥やアレルギーの原因を抑えることができ、快適な空気環境が長く続きます!
冷房を使った際に乾燥について:まとめ
この記事では、冷房を使うと乾燥する理由から放置した際のトラブル、乾燥状態への対策などについて詳しく解説してきました。
エアコンの冷房を使用すると、除湿作用により部屋の湿度が下がり、乾燥が進んでいきます。
部屋の乾燥状態は、喉や肌、目などにトラブルを発生させる原因になる恐れがあります。
乾燥状態を改善するためには、加湿器の使用や部屋干しなどを行うことで部屋の湿度を一定に保つことができます。
ただし、エアコン内部に関しては乾燥状態を保つことがよく、冷房除湿の使用後は送風運転などを行うことが必須です。
今回ご紹介したポイントを実践し、健康的な生活環境を作っていきましょう!
コメント