- カビキラーを使ってはいけない理由
- カビキラーを使ってしまった場合の対処法
- エアコン内のカビを放置するリスク
- カビ掃除の正しい方法
エアコンは日常生活で欠かせない家電です。
しかし、エアコン内部にカビが発生すると、嫌なニオイや健康被害につながるため、すぐにでもなんとかしたいと思う方が多いはずです。
そんな時は、家庭用のカビ取り剤「カビキラー」を使って掃除しようと考える方もいるかもしれません。
ただ、実はこれは非常に危険な方法と言えます。
この記事では、エアコン掃除にカビキラーを使う危険性から、誤って使用した場合の対処法、防カビ対策などについて詳しく解説していきます。
正しい知識を持って使用することで、エアコンの清潔さと性能を維持し、健康的な室内環境を保つことができます。
私は、【エアコン清掃club】を運営する滝沢というものです。ハウスクリーニング業者で約5年ほど従事した経験をもとに記事を書いています!
エアコン掃除でカビキラーを使ってはいけない理由

冒頭でもお話ししたように、エアコン掃除でカビキラーを使うのはNGです。
エアコンは内部構造が非常にデリケートで、家庭用の強力な洗剤に耐えられる設計にはなっていません。
「カビキラー」のような塩素系漂白剤を使うと、思わぬトラブルを引き起こすリスクがあるので注意が必要です。
- 市販品では内部のカビまで届かない
- サビや腐食の原因になる(破損・故障)
- プラスチック部品の劣化
- 健康被害のリスクも心配(臭い・ガス)
- 保証対象外となる恐れ
市販品では内部のカビまで届かない
カビキラーの洗浄性能は本物ですが、エアコン掃除に使っても奥の方にあるカビを完全に取り除くことはできません。
残ったカビの胞子が再び湿気を吸って繁殖すれば、すぐに元通りの状態に戻ってしまいます。
内部のカビをきちんと除去するには、プロの業者が行ってくれる分解洗浄が必要になってきます。

エアコン用の洗浄スプレーの使用でもカビキラーの状況と同じことが言えます!
サビや腐食の原因になる(破損・故障)
エアコン内部のアルミフィンや銅配管は、塩素系漂白剤に非常に弱い構造です。
そのため、水酸化ナトリウムや次亜塩素酸塩、界面活性剤などが入っているカビキラーをかけると、金属の腐食やサビを発生させる原因になります。
内部のアルミなど部品の破損の恐れも。
腐食や破損から、熱交換効率が落ちて冷暖房の効きが悪くなることにもつながる予想もできます。
さらに、腐食が進めば配管が破損し、冷媒ガスが漏れるような重大トラブルに発展するケースもあります。
プラスチック部品の劣化
エアコンのルーバーや送風ファンなどには、プラスチック製のパーツが多く使われています。
これらは漂白剤の成分で素材が脆くなりやすく、変形やひび割れが生じることがあります。
変形・ひび割れから動作音が大きくなったり、安全性が低下したりする危険も。
外から見えにくい部分で劣化が進むと、気付かないまま故障リスクが高まり、気付いた時には買い替えが必要な状況までいってしまうこともあります。
健康被害のリスクも心配(臭い・ガス)
カビキラーは臭いが強い洗剤としても知られています。
エアコン掃除で使ってしまい、内部に臭いが付着すれば簡単には消えません。
また、再稼働した際、そのガスが室内に放出されると、目や喉への刺激、気分の悪化を招く可能性があります。
エアコンが自分の身長より高い位置に設置されていることを考えると、その危険性は言うまでもありません。



特に換気が不十分な環境で、
小さなお子さんやペットがいるご家庭では注意が必要です!
保証対象外となる恐れ
多くのエアコンメーカーでは、「指定外の薬剤を使用した場合、保証対象外となる」などの旨が保証書に記載されています。
もしカビキラーを使ったことが原因で故障した場合、保証期間中でも無償修理を受けられなくなる可能性が予想できます。
健康面だけでなく金銭面のことを考えても、メーカーの指示を守ったクリーニング方法が推奨されます。
誤ってカビキラーを使ってしまった時の対処法


この記事を読んでいる方の中には、「すでにカビキラーを使ってしまった!」という方もいるかもしれません。
万が一エアコン掃除にカビキラーを使ってしまった場合、まずは焦らず、適切な処置を取ることが重要です。
塩素系漂白剤は、人体やエアコン内部に悪影響を与える恐れがあるため、早急な対応が求められます。
- 徹底的な換気の実施
- 冷房を使って洗い流す
- プロの業者に依頼する
徹底的な換気の実施
まず最初に行うべきは、エアコンの電源をすぐに切ることです。
室内に風が送られることで、目や喉などに悪影響を受けてしまうことも予想できます。
そのうえで、部屋中の窓やドアをすべて開放してしっかりと換気を行いましょう。
可能であれば扇風機やサーキュレーターを使って空気を循環させると、室内にこもった塩素ガスを効率的に排出できます。



数時間ほどは送風運転を続け、換気を怠らないようにすることが大切です!
冷房を使って洗い流す
間違ってカビキラーを使った際に自力でできる対処法は、冷房を使って洗い流す方法です。
エアコンの冷房を設定温度16℃にして、1〜2時間ほど運転させます。
この作業を行うことで、エアコン内部にはたくさんの結露が発生し、カビキラーの成分を洗い流してくれます。
エアコン内部の結露水はドレンホースを通って外に流れます。
プロの業者に依頼する
「不安がある」「臭いが落ちない」などの場合には、プロのクリーニング業者に依頼しましょう。
プロなら専用機材や洗剤を使い、しっかりと養生した上で、安全かつ確実に内部洗浄と中和を行ってくれます。
ただ、クリーニング業者に依頼すれば当然費用はかかってしまいます。



健康被害やエアコン故障のリスクを減らすためには、安心感を得られる選択肢です!
エアコン内部のカビを放置するリスク


エアコンの内部にカビが発生していても、臭いなどのサインが出ていなければ、普段の生活ではなかなか気づきにくいものです。
しかし、この見えないカビを放置することは、健康や家計、さらにはエアコン本体の寿命にまで影響を及ぼします。
- 健康被害の悪化リスク
- 光熱費の無駄遣い
- 本体寿命の短命化
健康被害の悪化リスク
エアコンの内部で繁殖したカビの胞子は、冷暖房時に部屋中に拡散されます。
この空気を吸い込むことで、アレルギー性鼻炎や喘息、皮膚トラブルなどの症状が悪化する可能性があります。
特に小さなお子さんや高齢者、免疫力の低い方にとっては深刻な健康被害につながる恐れがあるため、注意が必要です。
光熱費の無駄遣い
内部のフィンがカビや汚れで詰まってしまうと、エアコンの熱交換効率が下がります。
その結果、設定温度に達するまでに長時間稼働する必要が出てしまい、電気代の増加につながってしまいます。
これが毎日積み重なっていけば、年間で数千円〜数万円の無駄な出費になってしまう恐れも。
本体寿命の短命化
カビやホコリが内部にたまっていくと、エアコンには負荷がかり、それが部品の劣化を早め、故障リスクも増してしまいます。
特にモーターやファンへの負荷が大きくなることで、修理や買い替えが必要になることも。



長期的に見れば、定期的なメンテナンスをしておく方がコストを抑えられる結果につながります!
エアコン内部のカビ掃除の正しい方法


エアコン内部のカビを安全かつ効果的に除去するには、正しい方法を知ることが大切です。
家庭でできる簡単なメンテナンスから、プロによる徹底的な洗浄まで、段階的に理解していきましょう。
- フィルター清掃からスタート
- 室内ユニットのプロ分解洗浄
- 室外機のメンテナンスも忘れずに
フィルター清掃からスタート
まず取りかかりやすいのがフィルターの掃除です。
フィルターを取り外し、掃除機でホコリを吸い取ったあとに水洗いします。
完全に乾かしてから再度取り付けることで、カビの繁殖リスクを大きく抑えられます。
この作業を2週間に1度程度行うことで、エアコン内部が清潔に保ちやすくなります。
室内ユニットのプロ分解洗浄
自力では手が届かない内部を徹底洗浄するなら、専門業者による分解洗浄を検討しましょう。
プロのクリーニング業者は、高圧洗浄や専用の洗剤などを使い、カビや汚れを根本から取り除いてくれます。
また、防カビ・抗菌コーティングなどのオプションを選ぶことで、カビや細菌の再発防止にもつながります。



エアコンクリーニングの依頼目安は1年に1度程度です!
室外機のメンテナンスも忘れずに
見落とされがちなのが室外機周辺の掃除・メンテナンスです。
室外機は屋外に設置されているため、ホコリや枯れ葉が詰まりやすく、放置するとエアコン全体の効率低下を招く恐れがあります。
ファンやフィン部分に詰まったゴミはブラシやブロワーで丁寧に取り除き、異音や振動がないかも確認しましょう。



異常を感じたら早めに専門業者に相談するのが安心です!
エアコン用の洗浄スプレー・アルコールも基本使用NG!


エアコン掃除にカビキラーを使うことはNGですが、それはエアコン用の洗浄スプレーでも同じです。
「エアコン用って書いてあるじゃん、、、」と考える方もいるでしょう。
しかし、エアコンを製造するメーカーのほとんどは、”市販の洗浄スプレーの使用を禁止”しています。
その理由としては、内部部品が濡れることでの破損や故障、最悪の場合で発火につながる可能性があるためです。
カビキラー使用時と同じく、洗浄スプレーでの掃除ではエアコンを分解しないため、内部に汚れが残ってしまいます。
また、一般的に売られているアルコールスプレーもエアコン掃除には使うのは避けるのがベストです。
基盤や部品など、かける場所によって故障・火災を引き起こしてしまう恐れがあります。



エアコンの内部掃除をする際は、基本プロに任せましょう!
日常的にできるエアコン内のカビ防止策


エアコン内部は結露が発生することも多いので、カビへの対策は必須です。
カビの発生を完全に防ぐことは難しいものの、日々の使い方次第でそのリスクを大きく減らすことができます。
エアコンの清潔を保つために、次のような習慣を取り入れてみましょう。
運転後の「送風モード」活用
冷房や除湿を使った後は、エアコン内部に水分が残っています。
この湿気はカビの温床となるため、1時間程度は送風モードにして内部を乾燥させることが重要です。
最近の機種では、自動的に乾燥運転を行う内部クリーン機能が搭載されている場合もあるため、取扱説明書で確認してみるとよいでしょう。
フィルター清掃のルーティン化
フィルターはカビやホコリのたまり場とも言えます。
月に1〜2度を目安に取り外して、掃除機でホコリを吸い取ったり、水洗いをしたりするだけでも効果的です。



水洗い後はきちんと乾燥させないとカビ発生の原因になります!
室内湿度管理の実践
エアコン使用中でない時でも、室内の湿度が高すぎるとカビが発生しやすくなります。
理想的な湿度は40〜60%。
除湿機を活用したり、こまめに換気を行ったりして湿度のコントロールを心がけましょう。
定期的な簡易点検
月に一度程度、エアコンの排水が正常に行われているかチェックすることも重要です。
エアコン下にトレイを置いて汚れた水が出ていないか確認したり、運転時のにおいに異変がないか気をつけたりするだけでも、カビの兆候に早く気づけます。
早期発見が重症化を防ぐカギとなります。



特に小さいお子さん・高齢者・疾患持ちの方がいる場合は、エアコン環境に注意が必要です!
自力でできる範囲はフィルター掃除までがベスト


エアコン掃除で自力で行える範囲は、フィルター掃除くらいまでです。
「エアコンクリーニングをプロに依頼するのはもったいない」と言う意見の方もいるかもしれません。
確かにエアコンクリーニングをプロに依頼する場合には、通常の壁掛けエアコンでも約1万円ほどはかかります。
クリーニング会社 | マッチングサイト | |
---|---|---|
壁掛け(お掃除機能なし) | 9,980〜15,400円ほど | 7,000〜9,000円ほど |
壁掛け(お掃除機能付き) | 18,700〜26,400円ほど | 13,000〜17,000円ほど |
天井埋め込み | 20,900〜38,500円ほど | 17,000〜30,000円ほど |
ですが、自分で掃除を行う場合でも次のような手間がかかりますし、故障や火災などのリスクもあります。
- 掃除用具の準備
- エアコン周辺の養生
- 作業時間
- 片付け
その点、プロへの依頼なら、業者の方が作業中の時間は仕事や家事など自分の好きなことができます。



メリット・デメリットを考えても、プロへの依頼の方が得は多いです!
エアコンにカビキラーを使うことについて:まとめ
この記事では、エアコン掃除にカビキラーを使う危険性から、誤って使用した場合の対処法、防カビ対策などについて詳しく解説してきました。
エアコン内のカビ対策でも、カビキラーを使用することは、安全面を考えて危険です。
しかも、カビキラー使用時は分解掃除とは違うため、その効果自体にも疑問が残ります。
また、ほぼ同じような理由からエアコン用の洗浄スプレーや一般的なアルコールスプレーの使用も危険です。
とはいえ、エアコン内部には結露が溜まりやすいため、日常的なカビ対策は必要です。
自力でできる部分・プロに頼む部分をきちんと理解し、エアコンを清潔に保つことで、快適な室内空間とエアコンの長寿命化を実現できるでしょう!
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