- エアコンの試運転の必要性
- 試運転前の確認事項
- エアコンの試運転のやり方
暑い夏・寒い冬に欠かせないエアコン。
しかし、エアコンは一年を通してずっと使っている家庭は少なく、いざ使おうとなった際に問題が発覚することもあります。
そのためにも、夏や冬といった本格的な稼働前には、”エアコンの試運転”が大切です。
きちんと試運転を行うことで「作動するか?」「不具合がないか?」を早期にチェックできます。
そこでこの記事では、エアコンの試運転の必要性から事前の確認事項、試運転の方法などについて詳しく解説していきます。
長期的な故障の防止や快適な室内環境の維持、エアコン寿命を延ばすためにも必要と言えるでしょう。
私は、【エアコン清掃club】を運営する滝沢というものです。ハウスクリーニング業者で約5年ほど従事した経験をもとに記事を書いています!
エアコンの試運転は必要!きちんと行うことが大事!

エアコンの試運転は、快適な室内環境を守るための大切な準備です。
冷房や暖房を本格的に使うシーズンに備え、あらかじめ動作確認をすることで、故障の確認・予防や省エネにつながります。
特に使っていない期間が長かった場合やエアコンクリーニングをしばらくしていない方にとっては、早めの試運転が安心材料となるでしょう。
安全面のリスクを軽減
エアコンの試運転は、安全確認の意味でも欠かせません。
特に電源を入れた瞬間に異音がしたり、焦げ臭いにおいがした場合は、電気系統や内部部品の劣化が疑われます。
これを見過ごすと、最悪の場合、発火事故につながる恐れも。
古いエアコンや長期間使っていなかった機器は、より慎重な確認が必要です。
試運転で異常が見られた場合は、速やかに使用を中止し、専門業者に相談することが大切です。
効率的な冷暖房性能の確認
試運転では、冷風や温風の出方がスムーズかをチェックできます。
「風の出方が弱い」「室内がなかなか設定温度にならない」などの場合、フィルターの目詰まりや熱交換器の汚れが原因であることが多いです。
この段階で問題を見つけておけば、本格的に使う時期に困ることがありません。
また、異音や風の臭いが気になる場合も、エアコンクリーニングが効果的です。
省エネやコスト削減効果も
エアコンは正常に動いていても、内部にほこりやカビがたまっていると効率が悪くなり、余分な電力を消費します。
「試運転時に振動や騒音がある」「風量が弱い」といった症状があれば、それは電力消費が増えているサインかもしれません。
定期的に試運転を行い、状態を確認することで、ムダなエネルギーを使わずに済み、電気代の節約にもつながります。
エアコンの取り付け・修理の繁忙期に重なると、【すぐに取り付けてもらえない・欲しい機種が売り切れ・業者がすぐに来ない】などが起こる可能性もあります。

エアコンの試運転は、本格的な稼働の1ヶ月ほど前が理想です!
エアコンの試運転前の確認事項


エアコンの試運転を行う前には、いくつか確認しておくべきことが存在します。
試運転での故障やトラブルを避けるためにも、ぜひチェックしてから試運転を行ってください。
- ブレーカー・コンセントの確認
- フィルター・吸気口の清掃状態
- リモコンの確認
- ドレンホースとドレンパンの確認
- 室外機の設置状況のチェック
- その他の確認箇所
ブレーカー・コンセントの確認
試運転の前には、まずブレーカーやコンセントの確認をしましょう。
「エアコンが接続されているブレーカーが入っていない」「電源プラグが入っていない」なら、当然稼働はしません。
エアコンを稼働しない時期は、節電のためプラグを抜いておく方もいるので、意外に盲点なのです。
コンセントを確認する際には、『周辺にほこりが溜まってないか?』も確認しましょう。



ほこりがあると、火災の原因になります!
フィルター・吸気口の清掃状態
フィルターや給気口にホコリが溜まっていると、エアコンの風量が著しく低下し、冷暖房の効率が悪くなります。
さらにフィルター汚れは、嫌な臭いや空気が部屋中に広がる原因にも。
フィルターは必ず取り外し、掃除機で丁寧に吸い取るか、水洗いして汚れを落としましょう。
その後、本体に戻す際には、きちんとフィルターを乾燥させることが重要です。
また、給気口周辺に付着したホコリや汚れも、柔らかい布などで優しく拭き取っておくと、空気の流れがスムーズになります。



フィルターなどの汚れの放置は、エアコンに負担をかけ、故障などの原因に!
リモコンの確認
試運転前には、「リモコンのボタン操作がスムーズに反応するか?」も確認しましょう。
エアコンは使わない時期もありますが、その間もリモコンは電池がずっと入りっぱなしのため、電池は消費されます。
電池の残量の低下やが劣化があれば、当然、エアコンが起動しないことも。
「ボタンを押しても反応が鈍い」「液晶の表示が薄い」場合は、新しい電池に交換してください。
また、万が一に備えて予備のリモコンを用意しておくと、急な故障時にも安心です。
ドレンホースとドレンパンの確認
室内機からの排水が詰まると、試運転中に水漏れを起こす可能性があります。
ドレンホースに折れや圧迫がないか、ドレンパンの汚れやカビもチェックしてください。
詰まりがあれば、柔らかいブラシや専用洗剤で掃除しましょう。
ホースの掃除は先端くらいまでが自力で行える範囲です。



ホースの奥に汚れやつまりがあるなら、プロのクリーニング業者に依頼しましょう!
室外機の設置状況のチェック
室外機の周囲に植木鉢や落ち葉が溜まっていると、熱交換効率が著しく低下し、エアコン本体の性能にも影響を与えます。
特に通気口が塞がれている場合、内部の温度が上昇しやすくなるため、注意が必要です。
また、ファンに異物が入り込んでいないかを確認し、回転の妨げがないかを見ておきましょう。
さらに、室外機の設置面が水平かどうかも重要なポイントで、傾いていると振動や異音が発生する原因となります。
ゴミや落ち葉などが室外機に吸い込まれることで、故障や冷暖房が効かない原因になります!
その他にも確認箇所がある(内部も)
室内機・室外機の見た目だけでなく、内部の状況も試運転前に確認しておきましょう。
エアコン内部がホコリやカビなどで汚れていることがあり、そのまま稼働すれば空気の質の悪化原因になります。
まだ稼働していないのに「なんか中から音がする」なら、それは中に虫がいる可能性もあります。
適度に湿度と温度が高いエアコン内部は、ゴキブリなどが住みやすい環境になっているかもしれません。
『新聞紙などでエアコンの外側から叩く』『室内でバルサンをたく』などを行うと良いでしょう。



間違ってもエアコン内部に殺虫剤をかけるのはNGです!
実践!エアコンの試運転のやり方


エアコンの本格使用前には、必ず試運転を行いましょう。
単に「電源を入れて風が出るか?」を見るだけでなく、さまざまなモードや機能が正常に動作するかを細かく確認することで、夏本番・冬本番にトラブルなく快適に使えます。
ここでは具体的な手順とチェックポイントを解説していきます。
- 冷房・暖房で試運転
- 室内機の吹き出し口の風の確認
- 設定温度の反応を確認
- タイマー・省エネ機能のチェック
- 室外機の異常の確認
- エラーランプの確認
- 異音・異臭の確認
- 水漏れがないかの確認
- 試運転後の点検と記録をつける
冷房・暖房で試運転
試運転では、まずリモコンで冷房・暖房・ドライなどのモードを順番に切り替えて動作確認をします。
各モードで一度運転を停止させ、「再起動時に異常音や異臭がないか?」を注意深く確認します。
特に冷房は約5分以上連続運転して、風の温度がしっかり下がるかを見ておきましょう。
暖房の場合は逆に吹き出す空気が温かくなるまでの時間も確認しておきます。



設定温度は、【冷房なら16℃・暖房なら31℃】が目安です!
室内機の吹き出し口の風の確認
風量を【自動・強・中・弱】の順に切り替えて、「それぞれの風の強さが実感できるか?」を確認します。
風が極端に弱かったりムラがある場合、フィルターの目詰まりや熱交換器の汚れが原因の可能性があります。
この時点で気になる異常があれば、まずはフィルター清掃を行い、それでも改善しない場合は専門業者に相談しましょう。



暖房時の場合、スタート時点では冷風が出ることもありますが、数分待てば温風に変わります!
設定温度の反応を確認
設定温度を上下5℃程度ずつ調整しながら、室内の温度変化にエアコンがきちんと反応しているかを確かめます。
冷房なら設定温度より室温が下がるまでの時間、暖房なら温風が出るまでの速度を見ます。
反応が鈍い、あるいは冷暖房の効きが悪いと感じた場合は、冷媒ガスの不足や温度センサーの不具合が考えられるため、専門業者に点検を依頼しましょう。
タイマー・省エネ機能のチェック
最近のエアコンには、タイマーや省エネモードなど多機能が搭載されています。
あらかじめ停止・開始時刻を設定して、指定時間に正しく動作するかをチェックします。
また、省エネ運転に切り替えた際に、風量や室温調整がスムーズに変化するかも確認しましょう。
うまく機能しない場合は、リモコンや内部基板に不具合がある可能性も。
室外機の異常の確認
試運転中は室内機だけでなく、必ず室外機の稼働状態も確認してください。
「ファンがしっかり回っているか?」「異音や大きな振動がないか?」を観察します。
加えて、熱交換器にゴミやホコリが付着していないかも見ておくと安心です。



異常があるまま運転を続けると故障につながるため、早めの停止と業者への連絡が重要です!
エラーランプの確認
エラーランプが出ていないかを確認することも重要です。
エラーが出る原因には、次のようなものが予想できます。
- エアコンの故障
- フィルター汚れの通知
- 霜取り運転
- パーツがきちんとついていない警告
フィルター掃除を行ってから試運転を行う方も多いでしょう。



エアコンを稼働させる前に「きちんとパーツがついているか?」を確認しましょう!
異音・異臭の確認
試運転中にエアコンから変な音や臭いがしてこないかもチェックしましょう。
異音や異臭には、いくつもの種類が存在します。
通常時に出るものも多いですが、異音や異臭がする場合は、エアコン自体に強い負荷がかかっているケースもあります。
そのまま使い続けることで、室内の空気の悪化や故障の原因などになる可能性もゼロではありません。



試運転時に焦げくさい臭いがするなら、すぐに電源を切り、メーカーや修理業者に依頼しましょう!
水漏れがないかの確認
エアコンの試運転では水漏れが起きないかを確認することも大切です。
ドレンホースから排出口から水が出ていれば、問題ありません。
万が一、室内機の方から水が出てきた場合には、内部クリーニングや修理が必要になります。
エアコンを止め、室内の周りの物が濡れないように行動しましょう。



試運転時に気になることがあったら、メモや動画に残しおくと良いでしょう!
試運転後の点検と記録をつけるのもおすすめ
試運転を終えたら、その運転時間や気づいた点を簡単にメモしておきましょう。
例えば「冷房モードで異音あり」「暖房の立ち上がり遅い」など、次回の試運転時に比較する材料になります。
また、クリーニング業者などに依頼する際にも、状況を伝えるのに役立ちます。



小さな違和感も見逃さず記録しておくことで、大きなトラブルを未然に防ぐことができます!
こんな時は?エアコンの試運転でよくあるトラブル


試運転時には異常やトラブルにあう可能性もゼロではありません。
トラブルが発生した際は、無理に運転を続けず原因を特定して対処することが重要です。
ここでは、代表的なトラブルとセルフチェック方法をご紹介していきます。
- 電源が入らない・切れない
- 冷暖房の効きが悪い
- 異音がする
- 異臭・カビ臭がする
- 水漏れが起きた
- ブレーカーが頻繁に落ちる
- ランプが点滅している
電源が入らない・切れない
リモコンを押してもエアコンが動かない・止まらない場合は、室内機についている応急運転ボタン(スイッチ)を押してみましょう。
応急運転ボタンでエアコンがつく・消えるなら、それはリモコン側の原因が予想できます。
電池の交換やリモコンを新しくすることで、以前のように使えるはずです。
リモコンの不具合の確認方法は、【スマホのインカメラやAMラジオ】を使ったものが一般的です。
応急運転ボタンでもエアコンがつかない・消えない場合は、電源プラグの再差し込みやブレーカーを確認しましょう。



原因がわからないなら、メーカーや修理業者に聞くのがベストです!
冷暖房の効きが悪い
試運転時に室内が冷えない・暖まらないこともあるでしょう。
エアコン設定ミスや霜取り運転などの可能性が考えられるので、まずはリモコンで設定や温度、風量を確認しましょう(霜取り運転なら5〜20分待てばOK)。
モードを切り替えても冷風・温風が出てこない場合は、冷媒の漏れやコンプレッサーの故障など、内部機器に問題がある場合も。
フィルターの汚れを確認・掃除し、それでも改善が見られない場合は、自力での対処は避けるのがベストです。



誤った処置がさらなる故障につながる恐れがあるため、メーカーや専門業者に点検と修理を依頼することが重要です!
異音がする
試運転中の音によっては、使用をやめた方が良いこともあります。
たくさんの部品から成り立つエアコンとあって、内部から異音がすることもあるでしょう。
例えば、「ポコポコなら内気圧と外気圧が原因」「ブーンならコンプレッサーの振動音」などが考えられます。
内部のクリーニングをする・パーツの取り付けを確認するなど、自分で対処できる異音も少なくありません。



あまりに激しい音や以前に聞いたことがない音の場合は、プロに相談するのが良いでしょう!
異臭・カビ臭がする
室内機から異臭がすることもあるでしょう。
運転開始時にカビ臭やタバコ臭のような不快な臭いを感じたら、内部にカビや汚れが溜まっているサインです。
フィルター清掃だけで改善しない場合は、熱交換器まで含めたプロのエアコンクリーニングが必要です。定期的な内部洗浄で、空気質の向上と臭い対策が可能になります。
また、新しいエアコンを買ったばかりなら、プラスチックや塗料の臭いがすることも。
焦げくさい臭いなら、故障や配線の加熱の可能性も予想できます。



すぐ電源を止め、メーカーや修理業者に相談しましょう!
水漏れが起きた
試運転中にエアコンから水滴が落ちてきたら、ドレンホースの詰まりやドレンパンのひび割れなどの疑いが考えられます。
詰まりならホース内部をブラシで掃除し、パン割れは補修剤や専門業者での交換が必要です。
水漏れを放置すると、床や壁紙が傷み、室内の湿度などにも影響が出るため、なるべく早急に対応しましょう。
ブレーカーが頻繁に落ちる
試運転でブレーカーが落ちるときは、エアコンが必要とする電力以上の負荷がかかっている証拠です。
他の家電を同時に使用しているときに起こりやすいので、使用電力を分散させましょう。
繰り返す場合は、配線工事や専用回路の設置などを考える必要もあります。
ランプが点滅している
試運転時のランプの点滅は、フィルター汚れの通知やパーツの取り付けミスなどが考えられます。
フィルター掃除や前面パネルの再取り付けなどを行えば、基本的には解決します。
暖房時なら霜取り運転の可能性も。



どのトラブルの場合も、自分だけで問題解決ができない場合はプロへの相談がベスト!
エアコンクリーニングの必要性と依頼のポイント


試運転で異常が見つかったら、プロによるエアコンクリーニングを検討しましょう。
清潔なエアコンは健康面+省エネ面でもメリットが大きいです。
安心して依頼するためのチェックポイントを押さえます。
試運転でわかるクリーニングのサイン
異臭やカビ臭さ、冷暖房効率の低下はエアコン内部の汚れのサインです。
これらの兆候を見逃さず、早めにクリーニングを行うことで部屋の空気質を改善できます。
定期的にプロの目で内部をチェックしてもらうのがおすすめです。
クリーニング業者選びのポイント
業者を選ぶ際には、料金だけでなく、作業範囲や保証内容を比較しましょう。
SNSや口コミサイトなどで評価の高い業者なら安心してクリーニングを依頼できます。
事前見積もりや写真報告があるかも、依頼前に確認しておくとトラブル防止につながります。
エアコンが古い場合は買い替え時かも?


エアコンの試運転をした際に、何かの不具合や問題が出てくるケースもあるでしょう。
そのエアコンが製造から8〜10年ほど経っている場合は、買い替えを考えるのも一つの方法です。
一般的に「エアコンの寿命は10年ほど」とされています。
もちろん、10年以上使われているエアコンもたくさんありますが、10年ほど経った機種はメーカー側に部品がないこともめずらしくありません。
どんな家電でも同じように、”どこかの箇所の調子が悪ければ他も悪くなっていく”ことも考えられます。



試運転でも問題が起きなければ良いですが、不安な点があるなら買い替え時かも?
エアコンの試運転について:まとめ
この記事では、エアコンの試運転の必要性から事前の確認事項、試運転の方法などについて詳しく解説してきました。
一年を通して使用していない期間があったエアコンは、試運転を行ってから使うことがおすすめです。
試運転を行うことで、故障や誤作動などのトラブルを把握・未然に防ぐことができます。
設置状態の確認や各モードでのテスト、定期的なメンテナンスが、故障の予防と効率的な運転につながります。
正しい手順で試運転を行い、問題が発見された場合は迅速に対処することで、エアコンのパフォーマンスを最大限に活かし、安心して使用できる環境が整えられるでしょう!
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